・業績予想修正の理由
2020年11月10日の業績予想の修正後、第3四半期においてもホテル・メディカルの会員権販売が好調で、業績予想上の想定および前年実績をも上回って推移しました。また、ホテル運営事業においてはGoToキャンペーンの後押しもあり、特に、早期に回復してきた会員制ホテル運営において、想定を上回る結果となりました。
第4四半期においては、新型コロナウイルス感染症拡大の第3波および2021年1月の緊急事態宣言の再発令により、ホテルの収益は一時的に悪化したものの、足元の3月においては、着実に稼働、収益の改善傾向が見られているほか、会員権販売やメディカル事業は引き続き、堅調に推移しております。当期、コロナ禍において、安心、安全、健康を求める社会的ニーズが増大し、当社の主力事業である「会員制」ならではの本来の強みを再確認するとともに、健康志向が高まる中、会員制・一般健診ともに好調を維持するメディカル事業において更なるサービスの拡充を図るなど、コロナ禍を、グループ事業全体での安定性、成長性をより一層強化していくための機会として捉え、中長期的な成長に資する取り組みを進めることができたものと考えております。
これらの状況を踏まえ、売上高、営業利益、経常利益については従来予想を上回る見込みとなったことにより、各予想数値を上方修正しております。一方で、下記に記載の理由により、当期の親会社株主に帰属する利益については従来予想を下回る見込みにて修正しております。
・特別損失(減損損失)の計上について
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、国際的な人の往来の制限、国内における不要不急の外出の自粛、訪日外国人旅行者の著しい減少等により、一般向けホテル事業においては大きな影響を受けており、依然厳しい状況が続き、今後の需要に関する見通しも不透明となっております。
以上の状況を踏まえ、収益性の低下した一般向けホテルについて「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき将来の回収可能性を見直し、当第4四半期会計期間において、計214億円の特別損失(減損損失)を計上する見込みとなりました。(うち海外、ハワイの1か所にて114億円、国内は、東京、名古屋などの15か所にて100億円)
今後の一般ホテル事業における対策としましては、ハワイ州における移動制限等の解除後に向けた「THE KAHALA CLUB Hawaii」販売への注力や「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」ブランドの更なる浸透に向けた取り組みの推進、国内施設については、会員を中心としたグループの顧客基盤に向けて「長期滞在利用」や「リモートワーク」などの新たなご利用シーンに合わせたプラン展開を実施するとともに、一部業態変更等も含め、会員制事業・メディカル事業との連携による利用浸透策に取り組むことで、足元のインバウンド利用、ビジネス需要の減少を補ってまいります。また、当然のことながら、施設の稼働状況に応じ、事業を跨いだ配置転換や人員体制の絞り込みによる運営の最適化を実施するなど、コスト体質について大きく改善を図るとともに、資産効率改善に資する取り組みを進め、全体の経営リスクを最小化しつつ、当該事業における収益回復を実現していく考えです。